+主教 イグナシオ
欅の坂みち2022年4月号
新型コロナウイルスの変異種オミクロン株によって今年1月から始まった感染拡大は、第五波の感染者数を越えて2月の初めには一日に10万人を越えました。
その後、急激な増加傾向は治まりつつありますが、高止まりの傾向は続き、2月28日のデータでも感染者は全国で51,000人を上回っており、死者も198人と発表されています。
そして、東京、神奈川、千葉、埼玉の首都圏1都3県を含む十の都府県では、3月6日までのまん延防止等重点措置が更に2週間、延長されることが検討されています。
横浜教区では、現在、7教会で主日礼拝の公開休止を余儀なくされていますし、公開を継続している教会でも昨年12月の頃よりも一段と感染予防のレベルを上げて予防に努めているところです。
しかしそれでも、今回のオミクロン株は教会や施設の関係者の中に感染者や濃厚接触者が出たとの報告が繰り返しあり、感染力が今までのものよりも格段に強いことを示しています。感染予防策をよりいっそう確実にコツコツとやっていく以外にはないようにも思われます。
ただ、こうした状況であっても、教会は何よりもまず祈りの場であり続けなければなりません。そこに聖職が遣わされている限り、たとえ非公開であっても、変わることなくオフィス(聖務時祷)として朝夕の礼拝がささげられ、主日や教会暦の祝日には聖餐式がささげられていく場であることに変わりはありません。
ミレーの晩鐘にあるように、たとえその場所に実際に人が集まれないとしても、教会で日々、祈りがささげられていることを憶え、その時を共にして参りましょう。
今このような時だからこそ、目に見えない、しかし確かな繋がりが、今まで以上に重要なのだと思います。