+主教 イグナシオ
お子さんのいるご家庭での話になりますが、日々の生活の中で、お子さんといっしょに祈っていますか?
宣教委員会では、信仰の継承を目指して2022年3月、家庭で共に祈る機会を持っていただくため、「祈りのしおり」を作成しました。
それは、信仰を子どもたちに継承していくには、「いっしょに祈る」ことがとても大切だと考えたからです。子どもは親の鏡と言われます。親の言うことは、なかなか聞いてくれませんが、親のやっていることはすぐに真似します。
ですから、親の祈る姿を見ることによって、子どもは自ずと祈るようになると思うのです。
いちばん身近な例としては、食前の祈りがあります。そうは言っても、なかなか家族でいっしょに食事をすることもままならなくなってきていますが、せめて一日に一度だけでも親子でいっしょに食事をして、そこで心を合わせて祈ってください。祈りの言葉は、この食事をいただくことができる恵みを神さまに感謝することです。共に心を神さまに向け、そして感謝すること、そのことが含まれていれば充分です。「祈りのしおり」の15頁にも載っていますから、ぜひ参考にしてみてください。
神さまのことを心に憶え、感謝をささげる、それは祈りの基本中の基本であって、そして、それを毎日、根気よく続けることだと思います。
初めは形だけになるかも知れませんが、続けることでそれは幼い子どもたちの心に深く沁み込んでいくことでしょう。いっしょに食卓に着き、いっしょに神さまに心を向け、そして感謝する、そこに家庭ならではの信仰の芽が育まれていきます。
更に可能であれば、朝起きた時や夜寝る前にいっしょに祈るといいでしょう。
朝、目覚めて、新しい一日に感謝して、今日のなすべき務めをなすことができますようにと、そして夜は、一日を省みて、神さまの御守りと御恵みに感謝して、共に祈ってみてはどうでしょう。
(『横浜教区報』2025年10月号より)