【主教メッセージ】礼拝指針について(2023年5月9日付) 詳細

【常置委員会メッセージ】荒れ野の40日から復活の命へ

横浜教区 教役者・信徒各位

― 荒れ野の40日から復活の命へ ―

 3月10日(火)に教区主教臨席のもと常置委員会を開催し、この度の新型コロナウィルス(COVID-19)国内感染拡大を受け、今後の礼拝をどのようにしたらよいのかを話し合いました

既に2月4日(火)の常置委員会で新型コロナウィルスの対応策を議題にしており、この時点で1~2週間先が見極めの時期と判断し、陪餐についての配慮が必要であるとの認識をしました。2月7日(金)には教区主教から陪餐方法の指示が出され、2月14日(金)には教区から注意喚起が行われました。2月15日(土)にはクルーズ船を除く感染者の数が43名となり、この頃から急に感染者数の増加がみられるようになりました。

2月24日(月・祝)に日本政府の専門家会議から「これからの1~2週間が、急速な拡大に進むか収束かの瀬戸際」という見解が公表され、大多数の人が集まる集会やイベントが自粛要請されるようになり、そのような中、教区内でも相模原市、千葉市、市川市で“クラスター”と呼ばれる感染小集団が生まれるようになりました。

2月27日(木)、首相の全国の公立小・中・高校の臨時休校が要請されるという未曽有の出来事が起こりました。その背景には新型コロナウィルスの感染拡大の脅威があるものとして受け止め、教区主教との連絡の中で、3月1日(日)と8日(日)の教区内全教会の主日礼拝の休止という教区主教の決断を受け入れました。その後、横浜市、鎌倉市、柏市、松戸市、静岡市、南アルプス市でも全国的な拡大とともにその感染者を確認することになりました。3月9日(月)の時点でクルーズ船を除く国内感染者数が511名、死亡者数が17名となったことを確認し、この4週間のうちにその数が10倍以上になりました。

以上のことから、3月10日(火)の時点において、現状が感染拡大期から蔓延期初期に入ったと判断しました

3月10日(火)の常置委員会では、3月9日(月)に行われた日本政府の専門家会議の見解の公表を参考にしました。それは、「爆発的な感染拡大には進んでおらず、一定程度持ちこたえているが、感染者の増加傾向は続き、警戒を緩めることはできない。」「また今回のウィルスは暖かくなると消えてしまうものではなく、半年、1年を超えて対応しなければならない。」というもので、「感染拡大を防ぐためには、“クラスター”の感染を防ぐことが重要とし、感染が確認された場所に共通していたのは、①換気の悪い密閉空間②多くの人が密集③近距離での会話や発声という3つの条件が重なっていたと分析し、これらが同時に重ならないような対策を呼びかける」としたもので、以下の原則を公表しました。「リスクを下げる3原則とは①換気を励行すること(2方向の窓を同時に開けること)②人の密度を下げること(人が集まる場合には互いの距離を1~2m程度あける)③近距離での会話や発声などを避けること(やむを得ない場合はマスクをつける)」で、この3原則に従って行動したうえで、「手洗い、手指の消毒、咳エチケットの徹底、共用品を使わない等の感染予防対策」を呼びかけるものでした。

このような専門家会議の知見を踏まえた時に、教会の聖堂や会館の中に何の準備や工夫もしない状態のままで、公共交通機関を使って、高齢者の多い信徒の皆さんが教会に多く集まってくることは非常に危険なことであると判断しました。私たちにとって、一緒に集まって礼拝することができない、聖歌を歌って皆で神さまを讃美することもままならない、聖餐をうけられずキリストの命にあずかることができないということは、信仰生活の命を絶たれかねない大問題であり、本当に心を深く痛めるものです。しかし、上述したような専門家の知恵に基づいて、各教会がそれぞれの準備と工夫が充分に整えられた時には、光が見えてくるように思います。私たちは未曽有の困難の中を歩んでおります。それは、文字通り、キリストの“荒れ野の四十日間”であり、神の霊によって与えられた試練であります。私たちの信仰が今こそ試されているのです。「たとえ死の陰の谷を歩んでも、わたしは災いを恐れない。あなたがわたしとともにおられ、あなたの鞭と杖はわたしを導く」という詩編23編の言葉を思いだし、次の聖パウロの言葉を思いだしましょう。「…苦難をも誇りとします。苦難は忍耐を、忍耐は練達を、練達は希望を生むということを。希望はわたしたちを欺くことがありません。わたしたちに与えられた聖霊によって、神の愛がわたしたちの心に注がれているからです。」(ローマ5:3~5)

私たちが、この四十日間の歩みの中で真に鍛えられた暁には、キリストの勝利である復活の命を、一同に集まって、必ず仰ぎ望み見ることができると堅く信じています。上よりの知恵をもって霊的な戦いに勝ち抜こうではありませんか。

主にありて

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2020年3月13日

常置委員長 司祭 田澤利之
常置委員  司祭 宇津山武志
常置委員  司祭 片山 謙
常置委員  中林三平
常置委員  村井恵子
常置委員  高橋 保

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